たゆみなき唱題こそ『幸福の直道(じきどう)』
1966年(昭和41年)3月、ペルーを初訪問した山本伸一は、
ホテルで代表の幹部と懇談する。
「お題目を唱える時には、どういう気持ちで御本尊に向かえばいいのでしょうか」
という、女性メンバーの質問に、伸一は、答える。
「御本尊様は、大慈悲の仏様です。
自分自身が願ってること、悩んでいること、
希望することを、ありのまま祈っていくことです。
苦しい時、悲しい時、辛い時には、子どもが母の腕に身を投げ出し、
すがりつくように、『御本尊様!』と言って、
無心にぶつかっていけばいいんです。
御本尊は、なんでも聞いてくださる。
思いのたけを打ち明けるように、対話するように、
唱題を重ねていくのです。
やがて、地獄の苦しみがあっても、嘘のように、露のごとく消え去ります。
もし、自らの過ちに気づいたならば、心からお詫し、あらためることです。
二度と過ちを繰り返さぬ決意をし、新しい出発をするんです。
また、勝負の時には、断じて勝つと心を定めて、獅子の吼えるがごとく、
阿修羅の猛がごとく、大宇宙を揺り動かさんばかりに祈り抜くのです。
そして、喜びの夕べには『本当にありがとうございました!』と、
深い感謝の題目を捧げることです。御書には、
『朝朝(ちょうちょう)・仏と共に起(お)き夕夕(せきせき)仏と共に臥(ふ)し…』
と仰せですが、題目を唱え抜いてる人は、常に御本仏と一緒です。
?それも、今世だけでなく、死後も、御本仏が、諸天(しょてん)・諸仏(しょぶつ)が
守ってくださる。
だから、生命の底から安堵できるし、何も恐れる必要がない。
題目は、苦悩を歓喜に変えます。さらに、歓喜を大歓喜に変えます。
?ゆえに、嬉しい時も、悲しい時も、善(よ)きにつけ、悪しきつけ、
何があっても、ただひたすら、題目を唱え抜いていくことです。
これが幸福の直道です」