「世界広宣流布」の原点の精神を今、
再び確認しておきたい。
世界まで
妙法広がり
乱舞せむ
地涌の創価は
勝利眩しく
その日、1960年10月2日は、快晴の日曜日であった。
私は羽田の東京国際空港からハワイへ飛び立った。
眼下には、生まれ育った大森の海が輝いていた。
当時は日本初の大型ジェット機が就航したばかりであった。
今、羽田空港は、再び国際空港として脚光を浴び始めた。
ハワイは太平洋戦争で日米開戦の舞台となった。
私は沖縄に続いて、ハワイを訪れ、海外訪問の一歩とすることを決めていた。
宿命を使命に転じゆく仏法である。
最も苦しんだ人々こそ、最も幸せになる権利があるからだ。
ハワイをはじめアメリカ在住の会員には、軍人らと結婚して渡米し、
戦争花嫁と呼ばれた婦人たちも多かった。
幸せを夢見た異国で、文化や言語の壁に悩み、
日本に帰りたいと嘆く声があちこちで上がった。
私は、その苦悩の雲を打ち破り、生命の奥の仏性を揺さぶり、
呼び覚ますように強く励まし続けた。
大聖人は、大難の佐渡の島で
「我等が居住して一乗を修行せんの処は何れの処にても候へ常寂光の都為るべし」
と断言されている。
今、自分がいる場所を、常寂光土(じょうじゃこうど)へと変えていこうではないか。
変毒為薬の妙法を持つならば、幸福になれないわけはない、と。
いつしか、友の目には涙が光り、頬が輝いた。
「負けません!」 「戦います!」
どこへ行っても、座談会であった。形式などない、膝詰めの対話であった。
広宣流布とは、単に仏教の知識や言葉が弘まることではない。
この地球上のいずこであれ、その土地で生きる一人が仏法を抱いて、
勇気凛々と宿命転換に立ち上がることだ。
尊き地涌の使命に目覚め、自分の周囲に理解と信頼と歓びを広げていくことだ。
その一人立つ勇者を励まし、育てる以外に、世界広布の実像はない。
一人を心から励ますことが未来を開く。人が育つところには、
励ましの陽光が降り注いでいるものだ。
励ましは、まさに人材・躍進の原動力である。
最高峰の哲学を心肝に染めよ!
「思想界の王者」の誇りを持て!
創立80周年の大佳節の月を、皆で、世界最高峰の大哲学を喜び学びながら、
晴れ晴れと飾るのだ。
学ばなければ、人々を納得させられない。
実践の伴わない教学は、自身の成長にも、社会の変革の力にもならない。
「行」と「学」の両輪・・・・・この実践の教学こそが学会の伝統である。
19年前、邪宗門から滑稽千万な破門通告書が送付された「魂の独立記念日」・・・
その11月28日に行われる任用試験は、まさしく、世界12万人の受験の友と共に
我ら「創価の教学」の威風堂々たる勝利の象徴といってよい。
繰り返し、繰り返し、御書を拝し、一節一節を行動に移していくことだ。
そうすれば生命が覚えていく。確信になっていく。
深く「心肝」に染めた御文は、必ず人生勝利の土台となり、宿命転換の力となる。
御書に仰せではないか。?
「法華経にそめられ奉れば必ず仏になる」
「この経を一文一句なりとも聴聞して神(たましい)にそめん人は生死の大海を渡るべき船なるべし」
自分自身が、いかなる人生の荒波も乗り越えながら、多くの友を幸福の港へと運ぶ、
偉大な賢者の大船となれるのだ。
「御書とともに」走った青春には、生涯消えることのなき聖火が宿る。
その求道の炎を、いやまして燃え上がらせ、
未来の広布の大指導者として羽ばたけと願ってやまない。
仏法を学べば学ぶほど、世界広宣流布の大願に生き抜く、
崇高な師弟の使命と宿縁に、わが生命は打ち震える。
過去を振り返れば、みな勝ち戦。
未来を見れば、
無限の宝の中に入っていくような人生。
これが、本当の幸福であり、
成仏であり、仏の大境涯である。