池田名誉会長講義
勝利の経典「御書」に学ぶから
獅子吼の題目です。
今、病と闘う同志と、その家族の心情を想いつつ、先生は、今こそ獅子吼の題目で、
病気という魔性に断じて負けてはならない!
絶対勝利の信心の実証を示せとの、渾身の激励の指導です。
9月度、法華証明抄(ほっけしょうみょうしょう)
健康・長寿の「師弟勝利の一書」
今より728年前の弘安5年(1282年)、2月28日。
日興上人のもと、勇敢に戦っていた南条時光が重病との報に接し、
大聖人自信も前年からの病との戦いの渦中、送られた師弟勝利の御書です。
時光24歳。あの熱原の法難から、2年半後の事です。
「断じて病魔に負けてはならない!」と、時光の生命を奥底から揺り動かし、
病魔を克服する信心の要諦を教えておられる御書です。
未来を託す青年のために綴られた一書です。
最初に、病気になる事自体は、断じて敗北でもなければ、後退でもないという事です。
生老病死は誰も免れる事はできません。
むしろ病気になった時に、病魔と闘う信心を奮い起せば、
その時こそ、常楽我浄の人生の勝利を開く転機となる。
「病魔に打ち勝つ、いよいよの信心が試されているのです。
三障四魔を打ち返す信心に立てば、必ず成仏の境涯を確立することができるからです。
凡夫が仏になる境目に起きるのが、三障四魔の嵐です。
「賢者はよろこび愚者は退く」との仰せのように、
毅然と立ち向かっていく「賢者の信心」なのか、
驚き疑いを抱く「愚者の信心」なのか・・・
病気などの苦難に直面した時は、実は、
大きく境涯を開くための岐路に立っているのです。
牧口先生は言われました。
「妙法の生活とは変毒為薬(へんどくいやく)である社会で生活している以上、
時には事故や災難、そして事業の失敗などにあう場合がある。
これは、苦悩・不幸という毒であり、罰である。だが、
どんな場合でも妙法根本、信心根本として、ご本尊を疑わず、
信心に励めば、毒を変じて薬となしていけるのである。たとえば、
病気をした、これを罰だと悩んでいるだけでは解決しない。そこで、
この病気を必ず変毒為薬してみせるぞ、健康という大福運、大功徳を開くのだ。
と確信し、信心をつづけていくことが大事だ。その時、
病気が治るだけでなく、全快したときには、
以前よりも健康になるのが、変毒為薬の妙法である」と
「鬼神めらめ」からのこの一段は、大聖人が直接、
鬼神に向かって発する壮烈な呵責そのものです。
若き門下の命を奪おうとする鬼神への、激しい憤怒の表明です。
「法華経の行者」としての破折(はしゃく)です。すなわち折伏 (しゃくぶく) です。
その法華経の行者の弟子である南条時光を苦しめる事は
三世十方の諸仏を敵に回すことにほかならないと仰せです。
ここでいう「鬼神」とは、人の生命を蝕み、奪う働きをするものの総称です。
仏法では、仏法者を苦しめ悩ます悪鬼神と、仏法を護る善鬼神を説きます。
今度は速やかに時光の病を治し、かえって守護してゆく善鬼神の存在になれと、
厳しく命じています。
鬼神たちとは、餓鬼道にあって大きな苦悩を受けている衆生の事です。
人間界の中にも餓鬼の生き方をする人々もいるのです。
そして、この苦悩の境涯を脱出するのは法華経しかありません。
ここで、時光を苦しめている悪鬼神に対して、
「法華経の行者」を護ることによって、
自らの苦悩の境涯を脱せよとの叱咤されているのです。
そうでなければ、「頭破七分」の結末を迎え、
後生には大無限地獄に落ちることも間違いないと重ねて戒められています。
であればこそ、私たちもいよいよ、
「法華経の行者の祈り」を強盛にして、病魔に対しては「鬼神めらめ」と叱責しながら、
一切の悪鬼をも、わが使命の人生の味方に変えていく決心で前進していきたい。
ゆえに師子吼の如き題目が大切です。
南無妙法蓮華経の題目は、仏の偉大な生命力の根本です。
大聖人ご自身も、門下の真心のおかげで、小康を得たので、
「虎を捕ることもできる」「獅子にも乗れるような勢いだ」と
仰せになられたこともあります。
門下を激励されるためには、三障四魔をはねかえされるお姿を示され、
本有の生老病死に生き抜く尊き鑑を赫々と残して下さったのです。
真の健康とは何か。
それは病気がない状態を言うのではありません。
健康とは「戦う心です」広宣流布に戦う学会活動こそ、最高の健康です。
病気の宿業を使命に変え、
常に自身の生命を変革していける人は、病魔に勝利している人です。
弱い一念では病魔は破れません。
「常に師匠と共に広宣流布に戦う心」です。
それを教えているのが日蓮仏法です。
何があっても絶対に負けない。あきらめない。屈しない。
この人こそ、生命の勝利者です。真の健康・長寿の人生です。
時光は本抄を頂き、師匠の烈々たる大師子吼に触れて、
絶対に魔に負けないとの決意を深めたことは言うまでもありません。
事実、時光は、この大病を克服し、50年も寿命を延ばしたのです。
弟子が師匠と不二の道を貫けば、打ち破れない魔性はありません。
師弟が一体であれば、変毒為薬できない病気などありません。
健康・長寿の要諦を示す「師弟勝利の一書」。これが「法華証明抄」です。